後方の最下手
・私はこれの原作を読んでなくて、ドラマはちょっとだけ観たのだが、その断片的記憶に照らすと、舞台化にあたって台詞で説明できるところは細かい描写を省いたりしてるのかなと思った。
・家以外のセットは簡素で、色んな場面があった。
食材などの小道具がちゃんと用意してある。
・日本が好きとか、善行を積んでるとか、劇中にもあるように「優等生」だから受け入れるべきだという論調になることが怖かったので、それを反省する場面があったのは良かった。
一方で、クマさんの場合は周りの人と強い繋がりがあったから良いように進むこともあったし、裁判も「家族の絆を守る」という観点が軸になっていたと思うので、そういった繋がりが無い人達はどうしたらいいのだろうと思った。
これはあくまで物語のひとつ、フィクションのひとつで、できればその先の現実まで観客として考えたい。
・悪役にあたる役柄の憎たらしさが誇張して描かれているところがあり、確かに私から見ても彼らはそんな感じなんだけど、敵味方で区切るような視点は事態を正しく捉えることを妨げるんじゃないかと思う。
フィクションとしてはそれでいいのかもしれないけど、現実の社会問題でもあるので……。
観ていて気持ちよくない。
・お客さんがよく笑う。ちょっとしたことで笑う。
こういう客層が日生劇場バンビジにもあればよかったんじゃないかと勝手に思った。
キャスト
ミユキ 森田咲子
マヤ 井上 晶
（その子供時代）〈ダブルキャスト〉 佐々木咲華（劇団ひまわり）
クマラ 橋本 潤
ナオキ 一之瀬朝登
（その子供時代）〈ダブルキャスト〉 上野黎也（劇団ひまわり）
マツコ 船坂博子
恵耕一郎 神 敏将
上原 いまむら小穂
ペレラ 佐々木梅治
ウラベ 河野しずか
裁判長（声） 前田真里衣
特別審理官 大野裕生
タナベ 野田香保里
警官A 保坂剛大
警官B 花城大恵
通訳 望月ゆかり
入管職員 保坂剛大
記者 大野裕生
スタッフ
装置 勝野英雄
照明 前田照夫
衣裳 宮本宣子
効果 岩田直行
舞台監督 中島裕一郎
