観劇鑑賞メモ

諸々の自分用メモです。4季のオタクとしての感想おおめ。

2024年2月8日Tip Tap Play a Life(博品館劇場)

最後列のセンター(オペ卓の並びだった)
重要なネタバレを含むので未見の人は読まない方が良い感想です



行けなくなったフォロワーさんが引き取り手を探していたのでお譲りいただいた。

前にテレビ版を途中まで観てやめたことがあったので、今回も観るつもりがなかったんだけど、いや〜〜〜危なかった……観るべきやつだこれ……。
テレビ版がんばって最後まで観とけばよかったなあ。

・テーマ曲(最初と最後の曲)が頭で回る。
歌うの気持ちよさそう〜。
最初に歌った曲を物語の内容がぜんぶ明らかになった後で繰り返すミュージカルいいよね、種明かしであり答え合わせであり振り返りであり。
安心することもあれば絶望することもある。

・妻が故人、というのは、テレビ版を見た時に冒頭でそうかもと思ったけど、猫と触れ合ってるし違うのかと思ってた。
でも結局そこが作品の核だったんだな。

・舞台セットについて。
学校の教室の机や椅子で構成され、糸が張り巡らされた中に飾られたロビン・ウィリアムズ出演作のポスターたち。
糸は歴史の話と重なってるのかな。
オペラグラス覗いてやっと見えるくらいだったけど、その中にも『グッドモーニング・ベトナム』があったりして嬉しかった。

・ロビン・ウィリアムズが亡くなった後に作られた作品…なのか…?
彼が関わってることはHPのあらすじを読んで知ったので、その映画のウィキペディアを読んでから行ったんだけど、映画の邦題『いまを生きる』以外にもその内容(教師の話である、生徒が俳優を志す)にも反映されている要素がある。あとロビンの死も要素の一つなのかなあ。
(テレビ版で映画の話が出てきたことを全く覚えてない…)

・はじめはテレビ版との感じ方の違いについて考えながら観てた。
見る人によると思うけど、舞台とテレビは時間の流れ方が違うと思う。
舞台や映画など劇場でやるものは基本的に途中で観るのをやめられないし、テレビと違って選択肢ないし。
テレビ版のセットをリアルに寄せた演出も、映像ならではだけど、もし私が作る側の人間だったら全部舞台セット収録にするな、と……。
部屋の雰囲気とか、出演者以外の存在とか、観る人が自分の頭の中で想像することで生まれる部分が作品の要素としても大きい気がして。
映像だと説明歌詞が見たまんまを言ってるだけになるから役割が違っちゃうし、白ける。

・全然予想してなかったけど、喪失と再生の物語だったんだね……。

・今まで観たTipTapでも思ったが、同じ言葉を場面ごとに異なる角度から繰り返して、その度に新しい響きを与えていくことで、物語の掘り下げが進んでいく脚本と、その詞を活かす歌の旋律がしっかり噛み合ってるのが、秀逸というか、演劇っぽいなあ。
自分語りのソロが中心なのもあってか、終盤までゴールが見えにくいけど、道しるべになる言葉はあるので迷子にはならない。

・哲学者寄り授業の歌、私はすごく好きですが先生的には世界史より倫理っぽいらしいです。
でも倫理がカリキュラムから外れちゃってる昨今の高校教育現場の場合、世界史内にねじ込ませる実習生先生のやり方も間違ってないと思うんだよね……!

・山川の世界史〜!

・出演者三人の声の出し方も楽器演奏もきれいで、歌は単体でも気持ち良かった〜。癒やされる。
最後列だったけど声は大体届いた。

・観客が結構笑う。映画ネタ、中の人ネタなども多いし、台詞のやりとりでも笑いが生まれる。
YouTubeとかTポイントカードとか固有名詞も出てくる。

・今日のようなメンバーだと、役者ファンの割合はどのくらいだったんだろう?女性客多めではあったけど男性客もそこそこいたし、年齢も幅があったような。
TipTapのファン、が一定数を占めるのかしら。
ちなみに、カテコでブラボーが聞こえた。



作・演出 上田一豪  作曲 小澤時史 

出演 白猫チーム 佐藤隆紀(LE VELVETS)  平川めぐみ  屋比久知奈

演奏 Pf 戸谷風太  Vc 石貝梨華