観劇鑑賞メモ

諸々の自分用メモです。4季のオタクとしての感想おおめ。

2024年2月23日劇団銅鑼 〜こそあどの森の物語〜ふしぎな木の実の料理法(シアターグリーン BIG TREE THEATER)

確か座席指定ができた。段差があって見やすい。
昼の手話通訳の回や原作者アフタートーク、サイン会付の回は満席で取れなかった。
シアターグリーンって複数のスタジオが入ってるんだね、知らなかった。


・U30で事前精算・座席指定・事前チケット引取できるのありがたいな〜。
それだけ観客層が限られているということでもあるが。

・原作に追加された描写や、細かい変更もあり、全部そのままではない。
追加されてるところはもしかしたらシリーズの別の作品から採ってるのかも?
キャラクターの描写は大体原作通りなのかと思うけど、文字の描写の受け取り方や解釈が自分と違うところもあり、そこに想像の余地がある本という媒体の良さと不確定性を改めて感じた。

・Eテレっぽい、と思ったが、装置と照明は最小限ながら衣裳は凝ってるみたいな、余白とそれ以外のバランスが似てると思ったのかもしれない。
っていうか、Eテレの演劇型教育番組が小劇場っぽいのかな。
四季の『はじまりの樹』やファミミュを観てもそう思ったことはない。背景や舞台全景の一枚絵みたいな構成の印象があるからかな。でも『はじまりの樹』は装置の作画が結構おかあさんといっしょファミリーコンサートっぽいよね。

・観客の年齢層が高くて、祝日夜公演だったけど私が一番若かったかもしれない。こどもいなかったなあ。

・スキッパー役の方、男性だと思って行ったら女性の声で、でも声の出し方すごく少年だな〜上手だな〜見た目はともかくご自身の性別はそういや分からんな〜と思いながら観てた。
後から調べたら、劇団では男性俳優として活動してるFtMの方だった。なるほどな〜。
性自認を公表した上で活躍できる劇団の(アクセシビリティに配慮した公演を行ってることも含めた)バリアフリーに感心したし、同い年だったのでその活躍に勇気をもらった。



良かったところ
・ジェンダーフリーな配役
・世界観に合う音楽
・形は挿絵を再現しつつもマーブルな配色でちょっと絵本みたいな衣裳
・それぞれの家の外観を表す小さな装置と、間取りを部分的に再現する装置の併用
・階段、台座、椅子、テーブル、布など、限られた装置を配置を変えて自然に使っている
・小道具が適切なサイズで作り込まれていて、分かりやすさと世界観を両立させている
・トマトさん&ポットさんの体格差の再現
・ナルホド&マサカの狂言回しとまではいかないが幕開きや場転における使い方
・劇場の通路やエレベーター内に貼ってある仕掛け(足跡、サインネーム紹介、原作本紹介)

疑問点など
・原作ドーモさんはスキッパーに対してもうちょっと社会性があるというか本心を隠す遠慮があってそこに人間味を感じたけど、今作のドーモさんは失礼な言動が目立つから「そんな人だっけ?」と疑問に思った。
でもスキッパーの視点ではそんなふうだったのかな。
・小劇場でそんなに叫び声を多用されると耳がつらい。突然でびっくりするし。しかし叫ぶとウケる客席、なぜ……?
・叫び声に限らず、小劇場特有の内輪笑いっぽいところが若干あってちょっと萎えた。舞台にそのつもりはなくても客席が笑ったらそうなっちゃう部分もあるから予測が難しいところではある。
・トマトさんの表象で笑いが起きるのはつらいし基本的に観る側の落ち度だと思うけど、笑いを起こさない工夫の余地もあったかもなあ。濃いめの口紅とか必要だったかなあ。かわいいけど。


出演

スキッパー:齋藤千裕 ドーモ:深水裕子 ポット:佐藤響子 トマト:亀岡幸大 トワイエ:館野元彦 ギーコ:植木圭 スミレ:川口圭子 アップル:福井夏紀 レモン:佐藤凜 ナルホド:池上礼朗 マサカ:早坂聡美 バーバ(声の出演):栗木純

スタッフ

原作:岡田淳(「ふしぎな木の実の料理法」理論社刊)
脚本:斎藤栄作
演出:大澤 遊

美術/池宮城直美  照明/鷲崎淳一郎  音響/遠藤瑤子  衣装/柿野彩 音楽/いとをひろみつ  振付/下司尚実  
舞台監督/渡邊歩  演出助手/吉岡琴乃
舞台監督助手/大竹直哉 吉野孝正 衣装スタッフ/髙辻知枝 音声ガイド/中島沙結耶 齊藤美香 舞台手話通訳/田中結夏 手話監修/江副悟史
イラスト/さいとう りえ 宣伝美術/山口拓三(GAROWA GRAPHICO)
票券/佐久博美  制作/平野真弓