観劇鑑賞メモ

諸々の自分用メモです。4季のオタクです。

2022年6月25日夜てなもんや三文オペラ(PARCO劇場)

てなもんや三度笠というドラマがあったのか。そのもじりなのか。

・「昭和な笑い」が恐らく意図的に盛り込まれてて、昭和歌謡ネタとか多かった。(なんか知ってるな…と思ったのは小坂明子のあなた、その他に和田アキ子あの鐘を鳴らすのはあなたなど)
そういうネタ遣いは私も好きだけど笑えるかどうかは別で、客席の笑いに繋がっていたのも一部だった。
客席はおじさんと若い女性、という感じで(多分ジャニーズFC枠でチケットがある生田ファンが一定数いた)実際「おじさんだけ笑ってる」みたいな場面もいくつかあった。

・鄭さん、立派な作品を書く人だと思っていたけど、私とは合わないタイプかもな。

・みんな喉壊すなよまじで。
最後、檻の中でのセリフで生田くん(たぶん)も咳き込んでた。普通に咳き込んだのでびっくりした。

渡辺いっけいだけ安定した声が出ていて、動きの完璧さ含めとにかく「俳優」だった。舞台を転がったかと思えばスンと座ってる。

・出だしすごくよかったな
「おっこれは私が好きそうな脳筋音楽劇では?」と思った(違ったけど)
既存の劇中曲を設定に合わせてアレンジしてるのもよかった。新喜劇みたいなマック・ザ・ナイフ

三文オペラだけど「その後の展開を示す字幕」がなかった。マックも死ぬ。
終盤から突然(マックとブラウンの話には出てきていたけど)戦時中の話になって、いや戦後の大阪って設定はとても良かったと思うんだけど、終幕を変えるなら、三文オペラでやる意味がよくわからなくない…?
それと戦後世代の自分が言えたことではないかもしれないけど、なんか嘘くさい、説得力がない。生田斗真がブラウンの福田転球と同世代というのがちょっとよく分からないせいかもしれない。

・最後、マックが「ただいま」というのは殺した米兵の代わりに「ただいま」を言ってるのか?
感動してる人もいたけどよく分からなかった。

・登場人物の性別改変や同性愛描写も面白いと思ったけど、話が進むに連れて「笑えるからやってるだけか?」という気がしてきて、だったら改変必要なかったんとちゃうか。
ジェニー(福井さん)はドラァグクイーンなのかと思ったけど娼婦って言ってるしみんな「おんな」と言っている。でも「声を荒げると男っぽくなる」という定番のギャグが2回あり、1回目は全然ウケてなかった。2回目はちょっとウケてた。
ゲイという言葉は出てこない(時代設定的に無い)けどオカマという言葉は頻出してて、それは時代設定上よく分かるんだけど、「っぽい所作」みたいなのが引っかかる。ウェンツはいいんだけど、福田さん…。

・でも性別改変で、KAAT三文オペラにあった「女の戦い」みたいなシーンがなかったのは救いだったかな。

・ウェンツの衣裳がかわいい〜

・全編大阪弁で、ちゃんと大阪弁指導がクレジットされてたのはよかった。

・福井さんの歌がうますぎて…
「そういえばこの人は私のファーストタガーでは?」と思ったら少し目が醒めた気がした


クレジット

作・演出
鄭義信
原作
ベルトルト・ブレヒト
音楽
クルト・ヴァイル
音楽監督
久米大作
出演
生田斗真 ウエンツ瑛士 福田転球 福井晶一 平田敦子
荒谷清水 上瀧昇一郎 駒木根隆介
妹尾正文 五味良介 岸本啓孝 羽鳥翔太 大澤信児 中西良介 近藤貴郁 神野幹暁
根岸季衣 渡辺いっけい

演奏=朴勝哲