観劇鑑賞メモ

諸々の自分用メモです。4季のオタクです。

2023年9月16日ラグタイム(日生劇場)

2階A席

ねえこれ日本史版できるよね〜!
作ろうよ20世紀の日本史ミュージカル〜〜!
なんかあの!洪水の前みたいなやつ!もっと大きな規模で!高度経済成長期に絞っても良い!在日朝鮮人とか出して!

・HPとパンフに書いてあるあらすじだけは読んでいったけど、はじめに全部ト書き口調で説明してくれるので読まなくてもわかったと思う。

・開演前は幕に登場人物たちのイラストが映写されている。背景は薄暗いアメリカ国旗。
その登場人物が人種ごとに組分けされていて、かつそれぞれの服装が大きく異なることを示しているので、肌の色を見なくても判断できるのだと分かった。
映写されているイラストの裏から幕を通り抜けるように人物たちが現れる仕組み。

・その国旗などの背景が2幕では傷だらけになっていて、時代の流れと共に負っていく傷を表してるのかなぁと思った。

・背景は全部切り絵風。(石丸幹二演じるターテの最初の職業は切り絵師。)

・歌い方の違いを際立たせるために、発音の明瞭さにやや欠けるところがあって、難しい。

・よく韻を踏んでるところは原詞を再現してるのかなあ。

・発表されてる石丸幹二のビジュアルは2幕の姿なのね。
心配してたより1幕のビジュアルがユダヤ人移民であることが分かりやすかった。

・メインテーマのメロディがとても頭に残る。
これが重くなったり不穏になったりすることでその先の展開を暗示している。

・母親役による、殻を破りたいのに結婚するのはどうなんだろう心だけでも旅をしたい、という歌と、赤ちゃんを育てるようになってからの、夫に従うだけのあの頃には戻らない、っていう歌があって、その時代にとって新しい女性の生き方も描いていた。
父親役には「女らしいセンチメンタルで」という台詞がある。

・強すぎない問題提起に終わる感じで答えを出さない。

・最初に人種に分かれて並んでいた人物たちが、一番最後は人種出自関係なく混ざり合って一列になって現れたところで終幕。

・全幕を通して結構な時間経過があるように感じた(特に石丸幹二が大出世するので)けど、子供世代が全く成長しないので実際どんな年表で考えられているのか謎な部分があった。

・役名が個人名である場合と「お母さん」みたいに立場である場合とがあって、所々にト書きのような台詞を挟むことも踏まえると、特定の人物の視点に立った名前なのかなあ。

井上芳雄の役は他の人でもよかった気がするなあ。
もちろんうまいし、大きい役だし、チケット代(A席10,500円)分のものを観たなあという気はするけど、サラ役を遥海さんのようなジャズ感強めの歌い方にするなら、相方役の井上芳雄はミュージカルっぽすぎるように思う。

石丸幹二には謎の説得力があるな。PARADEのユダヤ人役で観ているせいかな。
時代的にもそんなに変わらないはずだから、同じ時代を別の側面から描いているとも言えるのかな。



クレジット

脚本
テレンス・マクナリー
歌詞
リン・アレンズ
音楽
ティーヴン・フラハティ
翻訳
小田島恒志
訳詞
竜 真知子
演出
藤田俊太郎

出演
ターテ:石丸幹二
コールハウス・ウォーカー・Jr.:井上芳雄
マザー:安蘭けい
サラ:遥海
ファーザー:川口竜也
ヤンガーブラザー:東 啓介
エマ・ゴールドマン:土井ケイト
イヴリン・ネズビット:綺咲愛里
ハリー・フーディーニ:舘形比呂一
ヘンリー・フォード&グランドファーザー:畠中 洋
ブッカー・T・ワシントン:EXILE NESMITH

新川將人 塚本 直 木暮真一郎
井上一馬 井上真由子 尾関晃輔 小西のりゆき 斎藤准一郎 Sarry 中嶋紗希 原田真絢 般若愛実 藤咲みどり 
古川隼大 水島 渓 水野貴以 山野靖博

リトルボーイ(Wキャスト):村山董絃
リトルガール(Wキャスト):生田志守葉
リトルコールハウス(Wキャスト):船橋碧士