観劇鑑賞メモ

諸々の自分用メモです。4季のオタクです。

2023年12月6日フライングシアター自由劇場 仮面劇・預言者(高田馬場ラビネスト)

夜寝る時に、ふと「串田さんのお芝居が観たい」という衝動に駆られ、調べたら出てきたから観に行った。
直前に決めたけど、行って良かった~!

開場10分前くらいに到着。
ロビーは屋外で、受付で番号札をもらって待つ。
開演前に開くと聞いていた売店の軽食をアテにして来たので、ベーグルサンドを買って急いで食べる。

入場時、制作さんに「前の方がいいとか後ろの方が好きとか……」と聞かれたので前に座らせてもらう。椅子席が最前かと思ったらその前に座布団席(足はおろせる段差がある)があったので、その一番下手に座る。
時間があったのでお手洗いへ。

お手洗いに行く前も後も、舞台には既に何人かの出演者がいて、適当に時間を潰している。
人数が集まってくるにつれ、水の入ったペットボトルを机の上にクルクル投げて直立させられるか、というゲームが自然に始まり、客席でそれを見守っていた。

そのうち、串田さんがまず柳本さんと彼女がやってきた劇団の話(家族で劇団をやっているらしい)をして、その後で井内さんと劇団はえぎわの話に。
なぜ「はえぎわ」なのかは、「ファミレスで各々がいいと思う名前を出した結果、誰かが出したはえぎわが投票?で残った」らしい。

電車が遅れてるとのことで「なぜ電車は遅れるのか」とか「頭とおでこの境目はどこか」とかの雑談をしてるうちに客席が埋まってきたので、黄色い背広を着た3人が現れる。
このへんでさっと音響さんが舞台上の卓に入り、フットライトがついた。フットライト……!
(音響さん以外にも、出番でない出演者がいて笑ってたりする。)

井内さんが「携帯電話のあれを……」と言うのでおっ前説か?と思ったら、「どんどん鳴らしてください」「光の出るもの……おでことか?」と全然真面目な前説じゃなかった(笑)


時々スタンドマイクが登場して歌が始まったり(展開的に手拍子するか客席が迷う)、民衆と政治権力を同時に皮肉ったり、「そこで!?」ってところでチャップリンみたいなコメディシーンになったりするので、その形振り構わない振り回し方に、あ〜期待以上に串田さんだ〜と思った。
多分、フラッパーは、皮肉とユーモアを交えながらもまだ「ミュージカル」の枠で作ってたと思うんだけど、今回の仮面劇やキャバレースタイルの時はそこがもっと自由で、なおかつ滅茶苦茶にならず退屈させることなく整合性のある台本になっているのが串田さんのすごいところだなと。

本当のこととは何か。
説明はできるけど実態を見たことがないものについて。
自分ってなんだろう、鏡に映る存在が自分なのか自分でないのか何故分かるのだろう、自分がもう一人現れたらそれは自分なのか?
福音を伝える預言者が民衆に幸福をもたらすという筋書きは存在しうるのだろうか。
複数人が知恵を寄せて相談したところで、想像が足りなければ悲劇的な結果を招くことはあり、その責任の追及を逃れることはできない。
何がおかしいんだろう?という絶望的な事実すら笑う民衆。
民衆の行動は予測できない(と思っている政治家)。

「あそこであちらを選んでいたらどうなっていただろう」と考えてしまう。
でも考えたところで、結末は同じだったんじゃないかという風にも思えて。

終演後、台本が売られていたので買った。
その際、ロビーに串田さんがいらして、制作さん(今振り返るとご家族だったのではないかと思う)のお取り計らいで、なんと台本にサインをいただいた。
舞台もすばらしかったのに、こんな素敵なものをいただけるとは思わず……。
家宝にします!!!!!!!


原作
スワヴォーミル・ムロージェク「予言者」

翻訳
米川和夫

上演台本・演出・美術
串田和美

出演
大森博史、真那胡敬二、井内ミワク、近藤隼、串田十二夜、柳本璃音、串田和美

スタッフ
照明:齋藤茂男
音響:市來邦比古
衣装協力:中野かおる
舞台監督:成瀬正子 福澤諭志
制作:長谷川きなり 串田明緒
仮面・宣伝イラスト:串田和美
宣伝美術:GRiD CO.,LTD.
企画・製作:フライングシアター自由劇場 
主催:(有)自由劇場