観劇鑑賞メモ

諸々の自分用メモです。4季のオタクです。

2021年7月22日夜 反応工程(新国立劇場小劇場)

昨年4月にU25チケット取ってた反応工程ようやく!
大学以来の?宮本研。
因みにマチネのJCSコンは中止になった。

・左隣どころか同じブロックの列に自分以外いなくて、前が通路で、右も通路で、周りに気を散らすものがなくて快適だった。近くて見やすかった。
でも時々咳き込む人がいると心配になるしこわい。
ご年配も若い人もいた。若い人は学生もいたと思うけど、あのノリはもしかして俳優ファン?

・美術が細かくて、開演前にオペグラで眺めた。
あの黒板、1公演ずつ書いてるということは一つとして同じ文字にならないんだな。

・1幕途中眠くなってしまったところがあり大事なセリフを聞き逃してしまったと思う。(田宮と太宰のやりとり?)


・「俺には今日しかないんすよ!」

・「どう責任を取りますか」

・『一九一一』でも、人間一人ひとりの姿勢があってこその国家権力、と思ったけど、今回も、「立場が」「今は」と責任逃れをする大人たちがいて、そこに守られずに死んでいく子供たちがはっきり描かれるのが苦しかった。

・先生は自分は追い詰められているつもりだろうし見ていて可哀想になってくるけど、宮本研は絶対に許さないのだな。
田宮のまっすぐさが学生だからこそと捉えられなくもないけど、でもやっぱり責任だよ。
なぜこの本を読んじゃいけないのか、説明を求められてもできない先生。
そして太宰は責任を取るんだよな。

・済んだことだ、と子供の死を前に言えることが信じられない。

・戦後、自分がどちらを向いているのか分からなくなる田宮のような人は、どうなっていったのだろう。
何か他の物語でも見たような気がした。
民主的な運動にも与せず、あの様子だと社会主義的活動もしないのだろうか。
大学に行かない、学校はもう信じられない、という気持ちもわかるけど、それって本当に悲しいことだけど、学ぶことを諦めるのはそれはそれで危うい。
そこで学ぶことを断った人は実際どれだけいたのだろう。

・あとやっぱり五輪のこと考えた。
勝ち負けじゃないけど、負の結果が出ることをわかってて突き進むのが似てる。
「口では勝つと言っていても誰も本気にしていない」とか、そうだよなーと思うし、終戦後の係長が「まさか負けるとは思ってなかった」と言うのも、ああこれからこうなっていくのかなーという感じだった。

・銃弾の表現が凄まじかったな。

・後ろの壁を取っ払い、窓を見せることで終戦が表現される。正枝もそれを見守っていたけど、実際には終戦を迎えられなかった。ここ仰々しい音楽だった。
私は、壁が取っ払われて初めて、あれが灯りを隠すために取り付けられたものだと分かった。でもきっと歴史を知ってる人なら、取っ払われなくても察することができる。

若い人たちの演技がすごいパワーだった。
林さんの眉毛がふといのでインポッシブルのひるちゃんを思い出す(全然違う)
互いに喋ってるときすげー唾飛んでた。覚悟だな。
聞き取れないところも多々あったけど、方言のせいもあるな。

・『パレード』でも『一九一一』でも『反応工程』でも「まだ終わりじゃない」と思った。

・カテコが呼び出しになった。

・「レーニン」の読み方が明らかにレーニンを知らなさそうでよかった。

・女のこ二人の見分けが付いてなかったことに途中で気がついた。

・途中まで田宮を田原だと思ってたから途中から名前変わったのかと思った(田原は一九一一)

・戯曲読みたいと思ったらなんと公演サイトから読めた。

・何かに付けて「お前にはわからん」と言われる田宮…。

・今はなんとなく、高度経済成長期を生き抜いた年配・バブル崩壊を経験した中年・不景気しか見たことのない若年層、みたいな構造があってその中で生きてると思っているから、荒尾さんのような立場(憲兵嫌いだけど生きるために工場を軍需工場として回している)が新鮮に映る。でも当たり前だ。それぞれの時代によって世代の意識は違う。荒尾さんはもしリストラされたらどうなるのだろう。係長はどんな年寄になるのだろう。太宰さんはどんな中年になるのだろう。

・「妥協」の話だと思った。妥協の積み重ね。



スタッフ
【作】宮本 研
【演出】千葉哲也
【美術】伊藤雅子
【照明】中川隆一
【音響】藤平美保子
【衣裳】中村洋一
【ヘアメイク】高村マドカ
【アクション】渥美 博
【方言指導】下川江那
【演出助手】渡邊千穂
【舞台監督】齋藤英明 清水浩志

キャスト
天野はな
有福正志
神農直隆
河原翔太
久保田響介
清水 優
神保良介
高橋ひろ
田尻咲良
内藤栄一
奈良原大泰
平尾 仁
八頭司悠友
若杉宏二