〜2021年12月15日ハミルトン(Disney+収録配信)
こんなによくできた傑作ミュージカルが生まれることあるんか!?!?
・リプライズとかフレーズの再登場が多くあるんだけど、意識してなくても全旋律が印象的だから必ずわかる。歌詞のことばとしての繋がりや、場面としての繋がり。
ミュージカルオタクじゃないと創れない…。
・泣いたー、最後泣いたー。
殺すまでするか?というモヤモヤを抱えつつ泣いたー。
・かっこいい演出がひたすら詰まってる。ぜんぶ見せ場じゃん!そんな次から次へと!
なのに決して華美とか派手とかいうことではなく、只々見応えがあってかっこいい。アンサンブルが素晴らしい。振付から細かい芝居までかっこいい。目が足りない。
・走馬灯みたいなシーン、トニー賞エンディングとかでリンがよくつくってた「ラップでまとめたよ」みたいなやつじゃん、それをこういうシーンに持ってくるか……。
「旋律もリズムもない」という台詞に感動したんだけど、トークでリンが「初日直前までできなくて苦労してたけど新年の朝に目覚めた時の景色を見ていて『静寂』だ!と思いついた」という話をしていた。それまでは旋律あったのか……静寂にしたの天才すぎる。
・歴史が君を見つめてるんだよ……。
・すごいのが、ハミルトン一人を讃えるような内容ではなく、ただ人間同士の関わり合いを通して歴史を描いているところ。歴史の描き方も、「学校では教えないが…」とか個人視点の台詞が大切にされているから、型にはまった時代劇っぽくならない。
いや、型にはまってないとか、そんな簡単なことではないんだけど…偏った嫌味がないというか。
それぞれの長所短所引っくるめて人間として描いている。だから、それでも、ハミルトンの死後の人々の姿に感動する。
・アンサンブルもネームドもどんな動き一つとってもズルくてかっこいい。
そんなんみんな好きやろ!!
あといちいち難しいことさらっとやってる。マイク見ずに渡すとか。テーブルクロス引き(ジャンプ)とか。
・あーーーと盆舞台!!ずるい!!かっこいい!!
特に1幕のアンジェリカとイライザがハミルトンの前でぐるっと回るところーー!立ち位置と回りと歌の連動が完璧。
・ニューヨークという街でニューヨークの歴史劇をこんなふうにやってるの胸熱。
他の土地では無理……ではなくても物足りなくなりそう。いや全てが完璧なので全然完成すると思うけど。だから海外でもやってるんだろうけど。
日本には無理だと思ってしまう。歴史の共有点が少ない。「主張をはぐらかして負ける」というのもアメリカほどには理解されなさそう。
→出演者達のトークを見て、「声を上げて国をつくる若者たち」への眼差しや彼らを支持する点は、今の日本でも成立する視点かなと思った。
・有色人種キャスト、言われてみればそうなんだけど、全然違和感ないしみんなハマりすぎてるので、もっと積極的にやったらいいよね。
思い込みで白人ばかりになるんだったらハミルトンみたいに意識的にそろえる公演が増えた方がいい。
・どの歴史も今のアメリカに繋がってると思えるからすごい。
でもそれで先人に感謝しようとか思うような舞台じゃなく、俺達の話なんだなって思えるように作られている。いわゆる伝記ミュージカルにならない。胸熱の歴史台詞たくさんでてくる。
・あと政治劇なところ!!やっぱり政治は舞台にすると面白い。
政治劇というと男たちの争いになりがちだけど、女性が省かれている感じがあまりしないのはアンサンブルや女性キャラの立ち位置が強いからだろうか。
キャスト(出演者名・役名の順)
リン=マニュエル・ミランダ
アレクサンダー・ハミルトン
ダビード・ディグス
ラファイエット侯爵/トーマス・ジェファーソン
レネー・エリス・ゴールズベリー
アンジェリカ・シュイラー
クリストファー・ジャクソン
ジョージ・ワシントン
ジョナサン・グロフ
ジョージ3世
フィリッパ・スー
エリザ・ハミルトン
ジャスミン・シーファス・ジョーンズ
ペギー・シュイラー/マリア・レイノルズ
オキエリエテ・オナオドワン
ヘラクレス・マリガン/ジェームズ・マディソン
アンソニー・ラモス
ジョン・ローレンス/フィリップ・ハミルトン